【地元民も知らない今治城】潮の満ち引きがあるお堀と犬走りが特徴の日本三大水城
2022/11/11
実は中学生時代から寺社仏閣が好きだったので、
お城にもすっかりハマった時期があり、中学2年生の時には学校に内緒で一人旅を敢行。
全国の主要なお城を1人で巡っていくという体験をしました。
もちろん今治城についてもたくさん調べ、何度も訪れたことがあります。
そんな私が今治に住んでいる人もあまり知らない今治城についてお話ししたいと思います。
築城の名手、藤堂高虎によって建てられた日本3大水城の一つ
今治城の築城は1602年に、関ヶ原の戦いで功績を称えられた藤堂高虎によって始められました。
1613年ごろに完成したとされるお城は現在のものとは全く違うお城で、
明治維新後に政府によって大部分が取り壊され、現在残っているのは石垣部分だけといわれています。
もともと砂浜だったところに建てられたお城で、日本3大水城や日本3大海城とも呼ばれています。
お堀の大きさはもちろんですが、本丸にある現在建っている天守閣は、実は元の今治城のものではありません。
天守閣は想像上のモデル?
天守閣のモデルと言われているのが、丹波亀山城。
今治城の過去の文献や写真には天守閣の存在した記録は残っていませんが、徳川家康が丹波に城を建てるときに藤堂高虎が天守閣を献上したと言われているため、丹波亀山城の天守閣がモデルとなっているようです。
残念ながら丹波亀山城も現存する天守閣が解体されているため存在せず、現存する古い写真から想定されて作られた、想像上のものなんです。
とても立派な建物に見える今治城ですが、そういう裏話があります。
海水を引いている珍しいお堀
今治城のお堀はもともと三重のお堀が重なっており、海水を引き込んで船で入ることができたといわれています。
僕が小学生の頃はよく釣竿を持って釣りにきていましたが、現在は釣りをすることは禁止されているようです。
最近では、エイやサメが目撃されテレビ取材がきたりと一時期話題になっていたりもしました。
海水を引いているので、もちろん潮の満ち引きによって水面が上下します。
大きく引いたときには、堀の底が見えるくらいになりますし、満潮になると足元近くまで水面が上がってきます。
以前には白鳥や黒鳥も飼育されていた記憶がありますが、最近では見なくなりました。
犬走りは地盤を固めるため?
今治城にはもう一つ特徴的な構造があります。
それは犬走りと呼ばれるお堀に面した石垣の手前にある2mほどの平たい土地です。
お城の作りからいうと、お堀から石垣が始まっている方が登りにくいはずですが、今治城には犬走りがあるんです。
もともと砂浜に建てられたお城だったので、地盤を固めて築城を容易にし、石垣を高く積んでいくために犬走りが必要だったのではないか?とも言われています。
築城の名手である藤堂高虎は石垣を高く積み上げることで有名だったので、それも納得です。
石垣の中に、秘密の洞穴がある?
これもまたあまり知られていませんが、今治城の石垣の中に2mほどの大きな穴が空いていてちょっとした洞穴になっているところがあります。
正確には、ありました、ですね。
知る人ぞ知る洞穴でしたが、子どもたちにとっては格好の遊び場になります。
僕が小学生の頃はまだ穴が空いていて入ることができた記憶がありますが、
穴のいちも石垣の上の方にあり、危ないということで現在では埋められています。
内部はどこかにつながっているとかではなく、奥にスペースがあるだけで、用途も謎のままです。
お城の中に神社がある
今治城の天守閣入り口前には吹上神社があります。
結婚式や七五三と色々な行事が行われています。
天守閣の手前から見上げるように写真を撮ると、ちょっと江戸時代にタイムスリップした感じになります。
今治に住む人にとってはとても身近な存在である今治城。
春にはお花見で楽しめ、夏には花火大会の観覧場所にもなり、お正月には初詣で賑わう。
そんな今治城にぜひ足を運んで見てくださいね。